東京国立近代美術館は、皇居前の竹橋のすぐ傍に建っています。
この美術館が、観る人に優しい仕掛けを講じているというので行って来ました。
①老人力大歓迎 (65歳以上無料・車いす使用者優先)
②おしゃべりOK 眺めの良い休憩スペース有(4F)
③無料ガイドツアー(1時間コース)
④写真撮影OK (フラッシュは禁止)
私達は、③無料ガイドツアーをお願いしました。 もちろん、写真も撮って来ました。
まずは2階の日本画展示コーナーから・・・
絵の簡単な説明の後、ガイドさんを含めた参加者(5名)が、時代背景・依頼主・画家の心情・今までの絵との描き方の違い・・・等々・・・絵の前で言葉のキャッチボールを楽しみます。
平福百穂 《丹鶴青瀾(たんかくせいらん)》
花鳥風月が日本画の主流だった時代に、赤松の幹が二本描かれているだけのこの作品に付いての意見交換。
色々な意見が出て、大いに盛り上がり面白かったです。
徳岡神泉 《赤松》
モデルを色々な角度からスケッチをして、後からそれらを合成して描かれた「安井正太郎」の絵です。キュビスムの手法ですね。 この描き方のよって、モデル(日本女性)の性格や思考、行動なども表しているとの意見が多々出ていました。
安井正太郎 《金蓉》
美しい舞妓さんを描いて人気のある「小磯良平」も、戦争画を書かなければいけない時代があったのです。
小磯良平 のこの2点の絵は、モダンなバレリーナたちの群像と、兵士の群像とが共通の手法で描かれているそうで、一緒に飾ってあります。
小磯良平 《練習場の踊り子たち》
小磯良平 《娘子関を征く》
乳白色の肌の婦人を描いて、フランス画壇の寵児になった「藤田嗣治」もやはり戦争画を描かざるをえなかったようですね。
藤田嗣治 《アッツ島玉砕》
有名な「高村光太郎」の作品「手」です。
34歳の光太郎自身の左手。貧乏暮らしでモデルを雇うことも出来ない光太郎は自分の手をモチーフにしました。
奇妙に反り返った親指、小指はふわりとした曲線を描いています。
高村光太郎 《手》
やわらかく、力強い仏像の手。 仏教の「施無畏の印相」 と呼ばれる形は、何ものも畏れず受け入れる、菩薩の異名。その形を心に描いて創作された「手」は、芸術家として生きる光太郎の決意表明でもあった・・・と。
何点かの作品の前で、おしゃべりしながら回った後は解散、その後はそれぞれが自由に見て回ります。
静かに見て回るのが常でしたが、トークをしながら、写真を撮りながらの絵画鑑賞・・・楽しかったです♪~
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この記事へのコメント
aikane
美術鑑賞を沢山されていますね!
江戸の美術館はオオラカデ素敵ですね!コチラでは自由に喋れず、カメラ禁止ですから羨ましいです。
イイナ~。
茜雲
画像も写真なんですね。見事に撮れています。
mugen
日本の美術館では、この様な企画は珍しいですね。
一枚の絵を眺めながら、集った見知らぬ人達と話し合う機会なんてなかなかありませんものね。楽しい時間を過ごせましたよ。
mugen
色々な美術館に、このような企画が広がってくれたら嬉しいですね。
年代、性別の違う人々が集って、絵についての感想などを話し合う機会を持てたことは有意義でした。
「フラッシュを使わなければ写真を撮っても良い」というのも良いですね。
リンゴ
写真撮影が出来るなんて、嬉しいことですね。
写真が綺麗に撮れてて、見事な作品を楽しま
せて頂きました。
mugen
各地の美術館でも、この企画が広がってくれると、見る私達も嬉しいですよね。
この日は雨模様の一日でしたが、心楽しいひと時を過ごしてきました。
大きな森の小さなギャラリー
ワインレッド
財政が良いところの差でしょうか、
ガイドさんの説明があることで感じ方に
良い面が多々あったことと思います。
中でも戦争画が衝撃的で見入りました。
何か深いものを感じました。
有難うございました。
mugen
一人ゆっくり見て回るのも良いですが、たまには、こんな見学会も楽しいですね!
本格的に学ばれた、大きな森の小さなギャラリー さんの様な方とご一緒になれば、素晴らしいお話も聞かせてもらえるでしょうね。
mugen
ガイドさんやいろいろな方々のお話を聞くのも楽しかったです。 一枚の絵から感じる様々の思いは、一人一人違うものだと改めて感じました。
このような企画が、各地の美術館で催されるように期待したいですね。
たまて箱
何時もお世話になってますのに事情があった
とは言え突然の雲隠れをお許し下さい。
時間が有りました時にお寄り下さいませ。
竹橋の東京国立近代美術館言ってお出でに
なされましたか、良かったですね二度ほど
行きましたが私は最近は御無沙汰してます。
今後共宜しくお付き合い下さいませ。
ごめんなさいね。
mugen
お元気なご様子、本当に良かったです。
こちらこそ、よろしくお願い致しますね。
今、京都に帰っているのですよ。
たまて箱
早速にお返事ありがとうございます。
京都は紅葉が美しい時ですね。
私も先月大本山永平寺に一泊の修行に
参加して京都・琵琶湖・長浜を観光し
て来ましたが紅葉にはちょっと早かっ
たです。京都にもう少しゆっくり出来
ると良かったのですが、修行が目的の
お寺さんのツアーでしたので、観光は
走りばしりでした。
mugen
修行をなさってこられたのですか?
朝行とか、座禅とかかしら・・・?
日々、何となく生活している私達にも、たまにはそんな時間が必要かもしれませんね。